2020年こそSFC修行をすべき3つの理由

ANAでは、既定の条件をクリアすると、SFCという上級会員資格が永続的に付与されます。
SFC会員になると、専用の搭乗手続きや、飛行機の待合時間にはラウンジが利用でき、搭乗時には優先搭乗ができるなど、飛行機に乗る際には快適そのもの。
一方で、にわかに、「上級会員が多すぎる弊害」も発生していることは事実です。さらに、修行と呼ばれる上級会員になるための手段が、値上げやチケットの争奪戦でかなり厳しい状況に。
ずばり、2020年にANAの上級会員資格を得るための「SFC修行」をすべきかどうか!

結論から言うと、改悪続きの修行状況の中で、2020年は最後のチャンスになるかも?その理由をじっくりと解説します。

SFC会員とは?

ANAでは、年間に特定の回数搭乗したり、既定のフライトポイントを得たりすると、プラチナステイタスなどと呼ばれるステイタスが付与されます。
このステイタスがあると、
・専用の搭乗手続きカウンター、保安検査場の利用が可能
・搭乗前にANAラウンジが本人+1名利用可能。
・飛行機に優先的に搭乗できる。

憧れの専用チェックイン

というサービスを受けることができます。
通常、このステイタスは飛行機にたくさん搭乗した翌1年間(事前期間をあわせて最大約2年)だけしか利用できません。
しかし、このプラチナステイタスを所持している期間限定で、SFC(Super Flyers Card)と呼ばれる上級会員組織加入に必要なクレジットカードが取得できます。
一度SFCに入会すると、クレジットカードを所持している限りは永続的に上級会員としてのサービスを受けることができます。
このSFC会員になるために、プラチナステイタス獲得することが、SFC修行と呼ばれます。
プラチナステイタスを得るためには、飛行機の搭乗すると貯まるポイントであるフライトポイント(PP)を貯める必要があります。必要なフライトポイント(PP)は50000PPです。

国内線利用の場合は、修行価値が低下中

SFC会員の国内線利用時のメリットは、専用保安検査場の利用と、搭乗前のラウンジ利用が主でしょう。
いまや、モバイルで搭乗券が発行できるので、専用のカウンターを利用する機会はあまりありませんが、必ず通過が必要な保安検査において、SFC専用の保安検査場が利用できることは大きなメリットです。特に近年は、飛行機利用客が増加しており、空港の混雑が増しているのでなおさらです。
もう一つのメリットが保安検査場通過後に、制限区域内にある「ANAラウンジ」が利用できることです。
クレジットカードのゴールドカードを所持していると利用できるカードラウンジは、一般的には薄暗い中椅子がおいてある待合室という雰囲気。一方で航空会社のラウンジはカードラウンジとは一線を画す雰囲気で、さらにアルコールや簡単なおつまみも提供するのです。そのため、多くの人たちは、この航空会社ラウンジを利用する目的で、SFC修行を行っていたのです。

一方で、羽田空港のカードラウンジは「パワーラウンジ」という名称で、サービスを飛躍的に向上させています。
従来のクレジットカードラウンジは、椅子が並べてあってガストにあるようなドリンクバーマシンがあるだけでした。
しかし、最近登場した「パワーラウンジ」というカードラウンジは飛躍的に利便性やサービスを向上させているのです。
羽田空港では、続々と従来のカードラウンジが駆逐されて、パワーラウンジへのリニューアルが進んでいます。

充実したソフトドリンクが揃うパワーラウンジ

このパワーラウンジは、wifiや電源利用が可能な座席が用意されており、飛行機の離発着が見られる眺望など、従来の航空会社ラウンジに決して引けを取らないクオリティです。

ANAラウンジをも超える「羽田空港第2Tのパワーラウンジ」の凄さと弱点

2018年5月18日
唯一残念な点は、アルコールが有料なことと、座席の混雑が激しいということです。
ただし、それ以外に関しては、航空会社ラウンジ(ANAラウンジ、ANAラウンジ)とそん色ないクオリティです。私自身も搭乗口によっては、航空会社ラウンジではなくパワーラウンジを選択することがあります。
「国内線で航空会社のラウンジを利用したい」という動機に対しては、上級会員資格をお金をかけて取得する意味合いはあまりないのが正直なところです。

このように、国内旅行の場合、特に預入荷物がない場合、カウンターも利用しないし、パワーラウンジも使えるしで、保安検査場の混雑を除けば、上級会員としてのメリットを十分に受けることは難しいかもしれません。

海外利用ではいまだ大きな価値がある

上級会員資格が活躍するのは海外旅行で利用する場合です。
国際便では、基本的には必ず航空会社のカウンターの利用が必要です。

そのため、ビジネスクラス用のチェックインカウンターが利用できるメリットは非常に大きいです。

SFC会員は搭乗時に大活躍

ANAを利用する場合はもちろん、スターアライアンスに加入の航空会社を利用するときには、同等のサービスが受けられるため、私自身はむしろ海外出張や旅行の時に恩恵を受けることが多くあります。

日本国内では、近年空港の混雑は、激しさを増しています。そのため、国際線でのパスポートや荷物預入荷物でビジネスクラスカウンターを利用できるメリットは非常に大きいです。
特に海外発便の時は、メリットが増大します。
というのも、日本では、ビジネスクラスのカウンターがすいているときは、エコノミークラスの乗客の手続きを受け付けることが多々ありますが、
海外航空会社では、たとえエコノミークラスが混雑していても、空いているビジネスクラスカウンターのスタッフはあくびをしながら雑談している状況があります。
海外のエコノミークラスの乗客は、手続きが不慣れだったり、非常に大きな荷物を持ち運ぶ人など、様々な人がおり、空港のカウンターでの待ち時間がとても多くなることがあります。

また、ラウンジに関しても国内線のカードラウンジはリニューアルがだいぶ進んでいますが、国際線ではやはり航空会社ラウンジの利便性は圧倒的です。
荷物に関しても、優先的に荷物が出てくるプライオリティタグがあれば、混雑する前に街中に移動することができます。

ここ数年の上級会員の状況は?

一方で、近年指摘されるのは、上級会員の人数が増えすぎたことにより、サービスが低下しているということ。
実際に羽田空港の国際線ターミナルにあるANAラウンジでは、テーブル席への着席ができず、カウンター席利用になることもあるなど、近年の混雑度合いは上がっています。
それもそのはず。JALやANAなど日本の航空会社は上級会員資格を一度得ると、クレジットカードを所持するだけで、永年にわたって上級会員資格を維持できる世界でもまれなシステムを採用しているのです。

そのため、上級会員の人数は増え続け、それに伴い混雑が進むのです。
さて、こうしてみたときに上級会員のメリットは享受できるのでしょうか?
また、航空会社としては上級会員の数を抑制するような制度を導入するのでしょうか?

取るべき理由①上級会員のメリットは十分健在

結論から言うと、多少混雑したとはいえ、上級会員のメリットはいまだに健在です。
確かに、カウンターの待ち行列では、ビジネスクラスカウンターでさえ、混雑することが増えています。
ただし、それでもエコノミークラスよりははるかに待ち時間が短くて済むのです。
また保安検査も上級会員が優先的に受けられるレーンは通常よりも待ち時間は短いです。
また、ラウンジに関しては、確かに最近は、混雑によりまとまった席を確保できないケースが増えてきました。しかしそもそも空港のラウンジは回転率がとても高いので、カウンターなどで過ごせばあっという間に空席は確保できます。そのため、ラウンジの混雑と言っても、利用できない場面は少ないと考えます。

近年は、インバウンド・アウトバウンドともに需要が高く、空港全体が混雑している感じることが多いです。そのため、ラウンジを利用しないで外部の飲食店を利用するほうが混雑によるストレスは大きいです。

ただし、以前は、無償でプレミアムエコノミークラスにアップグレードされていたサービスがなくなったりと、若干上級会員向けのサービスは低下している印象があります。コストがかかるサービスやアナウンスされていない隠されたメリットは今後も廃止の方向で行くでしょう。

航空会社は上級会員を抑制したいのか?

肝心の航空会社は上級会員の数を抑制したいのでしょうか?最近、上級会員のサービスをPRするテレビ番組がよく放映されています。(風間君とか高橋真麻さんとか)
これらのテレビ番組はもちろんANAやJALなどが全面協力しています。
こうした例を見ても、JALやANAは上級会員を抑制するどころか、増やそうさえしていると考えられます。
羽田空港や成田空港では今後発着できる枠数が増え、海外の航空会社やLCCとの競合はますます厳しくなっていきます。そんな中で、自社の便に継続的に搭乗してくれる上級会員を増やそうという戦略は決して間違いではないと考えます。
ここ2~3年、日本各地の空港で急ピッチにラウンジの改装や増設が続いていました。主にはビジネスクラスラウンジを改修により人数を広げるというもの。
ビジネスクラスラウンジは、場所さえ確保できればそれほどコストがかかるものではありません。特にJALやANAのように高稼働率であれば、費用対効果は高まっていきます。

さらに言うと、最もありがたい顧客は、飛行機にあまり搭乗しない上級会員です。修行と称して自社の便に乗ってくれたうえで、上級会員到達後には、めったに飛行機に乗らないお客さんは実は航空会社にとってもかなりの上顧客なんですよね。

そんなわけで、ラウンジ内が混雑しても、カウンターの待ち時間が増えても、航空会社にはそれほどの影響を与えないことから、JALやANAは引き続き上級会員の獲得を進めていく戦略を続けて行くと思われます。

取るべき理由②年々悪化するSFC修行の環境

SFC修行は、以前から飛行機マニア達は行っていました。しかし、ツイッターやブログが活発になった2017年頃からは、ごく一般の人にまでSFC修行が大ブームとなりました。

一方で、こうした上級会員制度がいつまで存続するかは未定です。現在のようにクレジットカードを所持するだけで永続的に上級会員になることができるシステムは将来的には廃止される可能性も十分にあります。

ただし、その前に、まず上級会員資格を得るハードルを上げてくることが考えられます。
そして、いま、それはすでに実施されております。数年前と比較して
・国内線のPPが貯まりやすいクラスや路線の大幅な値上げ
・株主優待券の座席数制限
・PPが裏技的に貯まる区間(国際線の国内線乗り継ぎ区間)の積算率見直し
などなどです。

航空券の値段が上がり、PPが貯めにくくなり、結果的にSFCの条件達成が厳しくなるという改悪が年々続いています。
今年よりも来年のほうがSFC修行が安価にできるということはまずありません。
もし、SFC修行に関心があるのならば、早めに行うことをお勧めします。

2020年のSFC修行は羽田-那覇のプレミアムクラス修業コストが大幅にアップ!

実際に、例年1月~2月にかけての時期は、ANAの羽田-那覇のプレミアムクラスが割引運賃では非常に安い2万円前後で販売されており、それでいながらマイルやフライトポイントがよくたまるという状況でした。
具体的には、SFC修行では、50000PPに到達する必要があります。プレミアムクラスに搭乗すると片道で、2860PP(SVP、株優利用)がたまるので、18搭乗(9往復)で到達できます。
2017年頃は、50万円ほどで50000PPに到達することができました。PP単価10円と言われていた時代です。
アルコールを飲みながらプレミアムクラスで移動することが、最小単価で修行ができるということで、多くの人がチャレンジしたのです。

しかし、当時と比較すると、羽田-那覇のプレミアムクラスの状況は変わりました。
・株主優待券の座席数が大幅に減っている(スーパーバリュープレミアム28と同枠)。
・スーパーバリュープレミアム28の予約が取りずらい。
・スーパーバリュープレミアム28の値段が以前より上昇
・予約開始が2か月前から330日前に変更

こうした理由により、2020年現在は、修行の費用対効果は以前よりも厳しくなっています。
上級会員の修行によく利用される羽田-那覇のプレミアムクラスは軒並み値上げされています。2~3年前であれば、2万円を切る値段で搭乗できたのがいまでは、37,810円など。
こうした値上げもあり、今ではプレミアムクラスの利用で修行を終えるには50万円に抑えることは困難です。70万円~80万円くらいの費用が必要です。
また、プレミアムクラスの人気が高まり、修行に利用する安価な運賃はもちろん、普通運賃であっても予約が困難な場合もあります。

そう考えると、マイルが貯まったり海外出張に行くなど、自費以外でANAのチケットをとれる人以外は、LCCに搭乗して空港内のレストランで食事するほうがメリットが大きくなるんですよね。
正直、修行してまで上級会員になるメリットを得られる人は限られるというのが現状です。

取るべき理由③JALのJGCよりも圧倒的にANAのSFC修行はしやすい環境

さらに、2020年にSFC修行をすべき理由はもう一つ。JALと比べると圧倒的にANAの修行環境が恵まれていること。


具体的には
フライトポイントが貯まりやすいプレミアムクラスの設定路線が多く、プレミアムスーパーバリュー運賃で予約しやすいことです。
今や、JALではファーストクラス修業は予約すら困難ですが、ANAであれば、往復プレミアムクラスでの修行が比較的容易です。また、コストも普通席と比べても大幅に上昇しすぎることもなく、利便性が高いです。

こうしたこともあり、ANAのSFCのほうが、2020年現在はJALのJGCよりも取得しやすいステータスだと言えます。
ただし、特典航空券の取りやすさや、ラウンジの混雑具合など、ANAよりもJALのほうがステイタスで得られるメリットは大きいという声もあります。
一方で、A380ホヌの導入で、ハワイ路線の特典航空券の座席供給数が増えたこと、充実した航空連合のスターアライアンスであることなど、ANAのほうが使いやすいという声もあります。

いずれにしてもJALかANAかでどちらかのステイタスの所持で十分だと思いますので、もし今年上級会員修行をしたいなら、ANAのSFC修行のほうがおすすめですね。

2020年現在、修行の費用対効果は????

修行にあたって、羽田-那覇の普通席などで工夫しながら修行すれば総コストを50万円(PP単価10円)程度に抑えることは可能です。
一方で、プレミアムクラスに搭乗する豪華な修行では60万円~70万円と多少コストが上がります。また、好きな区間を好きなクラスで飛ぶなど、コストよりも旅情を重視すると100万円近くかかってしまうでしょう。
このように、SFC修行をするにあたっては50万円から80万円程度のコストを見込んでおく必要があるでしょう。

さて、それでは50万円かけてSFC会員をとる価値があるのでしょうか?

修行する価値がある人は、
・子供がいて(2人以内)空港での待ち時間を極力減らしたい
・頻繁に海外に行く。
・あなた自身が若い(50歳未満)。
・ANAのマイルが貯めてある
というケースでしょう。

逆に
・国内線がメイン
・一人旅or夫婦やカップル旅が多い。
・子供が3人以上いる。
・ご自身がリタイヤ世代
という場合は、あえて修行をしてまでSFC資格を得る必要性は薄いでしょう。

また、いま世界中の主要空港は、免税店やショッピング施設が充実しています。そのため、身軽な個人旅行や夫婦二人旅では、ラウンジを利用せずとも十分に空港施設で時間をつぶすことが可能なはずです。
逆に待ち時間が嫌いな子供連れの場合は、ラウンジの利用価値が高まります。ただし夫婦+2人(同行者)なので、子供が3人以上いると、ラウンジに入れないので、メリットが少なくなってしまいます。

SFC会員は、維持費が1万円以上かかります。40歳で会員資格を得て30年間活用するとしても、初期費用80万円+維持費50万円ほどかかる計算。

30年間で均すと毎年4万円です。それだけのメリットが得られるかがポイントです。
さらに、上級会員としてのサービスを受けるには、ANAをはじめとするスターアライアンスグループの便に搭乗するときだけです。
その他のグループやLCCに搭乗したときは対象外です。
ラウンジや優先カウンターを利用するために、コストの高い航空券を購入することは、本末転倒です。

それでもあえてSFC修行をする人とは!

損得では、元を取るのが難しいSFC修行ですが、それでもSFC修行する人がいるのは事実です。
専用搭乗手続きカウンターや、優先保安検査場はプライスレスな価値があります。空港での待ち時間を短縮できることは、代え難いメリットです。
特に子連れの場合などは、そのメリットは非常に大きいです。
ラウンジも同様。制限区域外にレストランはあるものの、搭乗口至近で、ゆっくりとくつろげるスペースはまずありません。

羽田ANAラウンジはキッズスペース併設

これらのサービスは通常プレミアムエコノミーやビジネスクラス搭乗者のみに提供されます。プレミアムエコノミーやビジネスクラスのチケットは、数万円プラスするくらいではまず購入できません。そう考えると、年に1度以上海外旅行をするならば、十分にメリットがあるという考え方ができます。

また、SFC修行は効率だけを求めると羽田-那覇の往復が優れていますが、多少のコスト増を許容できるのならば、福岡や札幌など、全国を旅しながらPPをためるということも可能です。
また、プレミアムクラスは値段が高くなったとはいえ、往路だけや復路だけで利用すると、旅がぐんと楽しくなります。修行自体が楽しめる人ならば、コスト度外視でも一生忘れられない経験になりますよ。

なお、国際線のアジア路線を中心に搭乗する国際線のビジネスクラスやプレミアムエコノミークラスで修行をしている方も多いです。ただしその場合、一番メリットが受けられる家族連れでは修行僧のもののハードルが高いんですよね。修行しやすい独り身でビジネスクラスやプレエコに乗れるならそもそもSFCの恩恵がそこまででもないという微妙な状況なので悩んでしまうところです。

まとめ

もともと飛行機に多数搭乗する人向けに設けられたSFC制度。最近ではテレビでラウンジの様子や上級会員修行が放映されたり、すっかりSFC修行が一般的になりました。
一方で、従来からの上級会員向けサービスは順次廃止や縮小が続いています。
しかし、そんな状況だからこそ、フルサービスキャリアとしてのサービスをしっかり提供するためには、今後、ラウンジなど上級会員向けサービスはますます向上していくと思われます。
また、近年、上級会員のハードルが高くなるのも事実です。もし関心があるなら今年のうちにとることをお勧めしますよ。

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