JALの上級会員修行のJGC修行において、先得や特便など、割引運賃を利用するのがコスト的には最良です。
一方で、予約変更ができず、かなり前から修行スケジュールを建てる必要があります。
そのため、JGC修行にチャンレジするサラリーマンは株主優待券を活用します。株主優待券で予約できる株主優待運賃は、直前予約もでき・キャンセル手数料も不要で、積算されるフライトポイントも多くとっても便利。
一方で近年の改悪の流れは株主優待運賃にも。2020年現在のJALの株主優待運賃の状況と活用方法を解説します!
株主優待割引=普通運賃の幻想はすでに終わってる。
数年前までは、株主優待割引は、当日でも予約ができ、直前の便変更も可能。さらに、マイルやFOPの積算も高いいなど、普通運賃とほぼ同等の使い勝手でした。
特便割引等は、運賃が安い代わりに予約できる座席数が限られていました。株主優待割引運賃は、特便等の割引運賃よりも座席の割り当て数が多く、さらにキャンセル待ちもできたため、非常に使い勝手が良かったのです。
直前予約や、間際の便変更ができる株主優待運賃は、サラリーマン修行僧にはもってこいの運賃でした。
しかし、2020年現在、株主優待運賃の利便性は低下し、定番の羽田-那覇のファーストクラスでの修行などでは、非常に使い勝手が悪くなってしまっていたのです。。。
花形だった株主優待割引運賃の修行への活用
株主優待割引運賃は、株主優待券を所持している人が購入できる特別な運賃。おおむね、普通運賃の半額となります。また、+1000円でクラスJに、+8000円でファーストクラスに搭乗できるという体系となっています。
「普通運賃の半額」といっても、通常、普通運賃で搭乗する機会はほとんどありません。たいていの場合、前日までに購入できる特便割引や先特割引のほうが割引率が大きいからです。
株主優待割引券の真価は、急遽当日に飛行機に搭乗しなくてはいけなくなったとか、年末年始や繁忙期で割引運賃が設定されていないような時に発揮するのです。
そしてもう一つ活躍する場面が、大幅な割引運賃が設定されないファーストクラスを自腹で利用するとき。そう、いわゆるJGC修行の場面でした。
別途株主優待券を入手する必要はあるものの、当日でも予約可能で、羽田-那覇のFクラスで35,000円ほどと、FOP単価が12円ほどに抑えられる株主優待運賃は、JGC修行僧の力強い武器だったのです。
座席数の割り当てが非常に少なくなった株主優待運賃
残念ながら2020年現在、JALの株主優待運賃は、以前ほどの使い勝手ではなくなってしまっています。
現在特便割引系運賃で提供される座席と、株主優待運賃で提供される座席は共通となっています。運賃ごとの供給座席数をランク付けすると
①普通運賃・ビジネス切符
②往復切符
③株主優待、特便割引
の順に予約可能な座席数が割り当てられています。
また、制度上、株主優待運賃はキャンセル待ちができるはずなのですが、実際には割り当て座席数の関係から、キャンセル待ちを入れることすら難しいことも多々あります。
特に、誰もが予約できる特便割引系の運賃は、JGC修行でも一番の人気運賃なので、羽田-那覇便はあっという間に完売になってしまいます。すると共通枠である株主優待運賃もすでに満席。
さらに、以前は搭乗2か月前から株主優待や特便割引運賃でファーストクラスが販売されていましたが、今は搭乗330日前に変更されています。
しかし2020年1月現在、330日後である2020年12月のファーストクラスチケットを株主優待運賃では購入できません。なぜなら1月現在で利用できる株主優待券の有効期限は、2020年11月までだからです。そのため、次の2021年5月が期限の株主優待券が入手できる2020年4月までは株主優待運賃が販売されません。
そう来年4月までは、特便割引運賃は販売されているけど、株主優待運賃は販売されていない状況。来年12月とか1月の株主優待運賃に割り当てられている座席は、特便割引運賃によってとっくに売り切れてしまうのです。
しかも、運賃種別によって座席の販売数に限りがあります。特にファーストクラスでは限りがあるどころか、特便・株主優待運賃では、1席も販売されない便もあるのです。
例えばこちらはB767のファーストクラス運賃の販売状況です。B767では、ファーストクラスは5席ありますが、普通運賃では5席販売されています。1席も売れていないということですね。ところが、特便運賃と株主優待運賃では、満席となっています。
そう、最初から株主優待運賃では販売していないのです。こうなるといくら頑張っても購入できません。
結局、ファーストクラスで株主優待運賃で購入できる機会は限られてしまっているのが現状です。
2020年の株主優待券で修行すべき人は?
ただし、株主優待運賃のメリットは残されています。以前まで、ファーストクラスでは「特便割引21」というかなり割引率が高い安い運賃で搭乗が可能でしたが、今では羽田-那覇に関しては特便割引1という割引率が低めな高価な運賃。もし株主優待券を持っているならば、特便割引よりも安価にファーストクラスに搭乗可能です。
なお、JALの株主優待券はメルカリやヤフオクでは5000円ほどと、ANAの4000円前後よりも高価ですが、安定的に入手が可能です。
2020年のJGC修行に向けた活用方法ですが、羽田-那覇便のファーストクラスで株主優待運賃を利用することは非常に困難な状況です。ただし、前日など、直前になると予約が突然可能になるケースも多々あります。ただし、前日であっても特便割引で購入できるので、優待券のコストを考えると微妙なところです。
さらに、羽田-福岡や羽田-札幌で設定されているファーストクラスでは、比較的株主優待運賃での予約が取りやすい状況です。FOP単価は16.0円と、やや高めですが、その分DPラウンジが利用でき、機内では、入手困難な森伊蔵が提供されるなど、修行自体が楽しめます。
アルコールが好きな人には、絶好の修行方法となります。
もし、直前予約等で羽田-那覇が予約できれば最高ですね。FOP単価は12円ほどと修行運賃では最安値級です。
ANAとJALの優待制度を比較すると・・・・
先日はANAの株主優待券の使い勝手も今ひとつだとご説明しました。JALとANAを比較するとどうでしょうか?
結論から言うと、以前はどちからかという普通運賃に近かったのに、最近では特便系の運賃と同等という使い勝手という点で両者は同じです。ただし、株主優待運賃の使い勝手が良い上級座席(ANA:プレミアムクラス、JAL:ファーストクラス)の供給座席数が、桁違いにANAのほうが多いため、実際に利用できる価値としては、ANAの方が圧倒的に上です。予定の変更リスクが有るサラリーマンや子育て中の方などが、株主優待券を利用して修業をするならば、JALよりもANAのほうが有利だと思われます。
まとめ
そもそもJALの株主優待券は、ANAに比べると値段が高めです。また、ANAは搭乗までに株主優待券を入手していればよいのですが、JALは、予約から3日以内に株主優待券の番号を登録しないと、予約が取り消されてしまいます。そのため、予約が取れたからでは遅いのが難点です。
また、株主優待券の効率が最高に高まるのは、ファーストクラス利用なのですが、残念ながら予約は困難です。
ただし、突然、当日や翌日のファーストクラスが空席になることも実は多々あります。そうしたときのために、修行を考えているならば、事前に株主優待券を購入していくことをお勧めします。
入手ルートのおすすめは、メルカリです。実は以前、メルカリは株主優待券の売買を禁じていましたが、最近、株主優待券の売買ができるようになりました。
メルカリで購入できないときは、ヤフオクで購入していましたが、ヤフオクはPCからも自由に利用できることもあり、業者の利用がとても多く、安価なチケットはあっという間に相場並みの価格に値上がってしまいます。
一方で、メルカリだと、出品者も個人で、早く現金化したい場合には驚くほど安い値段で出品されることがあるので、安価に入手できることが多いです。
なお、株式を保有しての優待券のスケジュールですが、次回は2020年3月31日現在の保有者に対して、2020年5月発行で、有効期限が2020年6月1日~2021年5月31日の優待券が配布されますよ。JAL公式