新型Mac Book Airは買ってはいけない?【傑作?駄作?】

新しく発売されたMacBook Air。待望のRatinaディスプレイを採用した新型モデル。
持ち運びに便利な筐体に、そこそこのパワー。しかしモバイル性能ではMacBookのほうが330gも軽く、パワーだとMacBookProに3割程度劣る。狭間のMacBook Airを「バランスが良い」とみるか、「中途半端」とするか評価が分かれるところ。
新型Mac Book Airの購入についてちょっとじっくり考えてみたい。

10年前にMac Book Airが起こした革命

初代のMacBook Airは2008年に衝撃的なデビューを飾った。それまで2kgを超えるMacBookが中心だった中、突如1.36kgの軽さ、角2封筒に入るサイズというとんがったスペック。
しかし尖がりすぎて、DVDやイーサネットが省略されるなど、既存のMacユーザーでないと使いこなすのが難しい機種だった。
それでも、23万円近い価格で、必ずしも高速でないにもかかわらず人気を博した。当時のネット記事はこちら

6年ぶりのモデルチェンジで最強マシンに変貌できたか?

2008年以降、2012年6月にモデルチェンジするなど、モバイルPCとしての地位を確立したものの、モバイルの主軸がスマホやタブレットに移行されると、しばらくモデルチェンジから置き去りにされた。
そして「12インチのモバイル向けMacBook」が販売されると、いつの間にか「一番安い(99,800円)の廉価機種」という初代の発売時からは考えられないくらい、さえないポジションに落ち着いてしまっていた。

しかし201810月、ついにフルモデルチェンジが実施された。

1.25kgの重量にもかかわらず最新のモバイルCPUを搭載し、ディスプレイもratina化。USB-C端子も2つ備えるなど、スキがない構成になった。
さらにTouch ID(指紋認証センサー)も搭載するなど、アップルの看板機種にふさわしいスペックを搭載したのだ。

アップルを代表する最強マシンに仕上がった!はずだったけど。

優秀な長男(13インチPro)とやんちゃな三男(12インチMacBook)に挟まれた汎用な次男と評される。
この問題はMacBook Airと同価格帯(±8,000円)にMacBookMacBookAirMacBookPro3機種が併売されていることからだ。

 

無印とかProとかAirとかネーミングも優劣がよくわからない。それが混乱に拍車をかけている。
しかしそれぞれの機種を比べてみると、明確に違いが出てくるのだ。

そうなると今度は「高性能なMacBookPro」,「モバイル性が高いMacBook」。そして「バランスのいい、というか中途半端なMacBook Air」という評価になる。

絶対的スペックを3機種(Air Pro 無印)で比較する

まず、絶対的な搭載スペックを3機種で比較しよう。ここで比較するのはいずれもモデル中最安の3機種だ。画面の大きさも12~13インチ。値段も13万~14万、そしていずれも「モバイル性」と「パワフルな性能」を売りにする。この3つはスペックもなんだか似たり寄ったりだ。

・MacBook (Mid 2017)

・MacBook Air (Late 2018)

・MacBook Pro (13-inch Mid 2017)

 MacBook12MacBookAirMacBook Pro 13
発売時期Mid 2017Late 2018Mid 2017
Touch ID××
画面サイズ12インチ13.3インチ13.3インチ
CPU1.2Ghz m31.6GHz i5Y2.3GHz i5
最薄0.35mm0.41mm1.49mm
最厚1.31mm1.56mm1.49mm
重さ0.92kg1.25kg1.37kg
メモリ8GB8GB8GB
SSD256GB128GB128GB
GPUHD615UHD617Iris640
画面2304×14402560×16002560×1600
バッテリー41.450.354.5
USB-C122
142,800円134,800円142,800

注目すべきは「CPU」と「GPU」そして「重量」「USB端子」「SSD容量」など。

CPU対決は?

CPUは、すべてデュアルコア。しかし「MacBookが1.2Ghzのm3」と貧弱そう。AirとMacBook Proは一見「i5」とパワフルそう。

しかしここで注意点が一つ。MacBook AirとMacBook Proは一見同じ「i5」だけど、AirのCPUはモバイル低電圧版。
そうMacBook Airは「Core-i5-8210Y」は、どちらかといえばMacBookの「Core-m3-7Y32」に近い。MacBookとAirが搭載するモバイル低電圧版のCPUは、電力効率がいい代わりに性能も低くなっています。ただしMacBook AirのCPUは世代が異なることもあり、Airのほうが数%~10%性能がいい。体感できるかギリギリの数値。

 12airPro
m3-7Y32i5-8210Yi5-7360U
Cinebench R15265285354
Cinebench R15120132142.5

それに対してMacBook ProのCPU「Core-i5-7360U」は低電圧版ではない通常のモバイル版で性能が高め。2017年モデルの第7世代だが、MacBook Airよりも25%ほどPROが性能を上回っている。

GPU性能はどれが上?

GPUは3つのモデルどれもCPU内蔵GPU。
・Mac Book12は、Intel HD615

・MacBook AirはIntel UHD617

・MacBook ProはIntel iris640です。

 12airPro
m3-7Y32i5-8210Yi5-7360U
3DMark - Time Spy Score 2560x1440296322494
3DMark 11 - Performance Physics 1280x720274738315036
Game (Rise of the Tomb Raider 1024×768)14.216.125.8

ベンチマークにもよるが、まずMac Book12とMacBook Airでは10%程度MacBook Airのほうが性能がいい。
しかしProのiris640は1.5倍程度の良好なGPU性能だ。
ただし、どちらも最新のゲームをガリガリ行うには向いているとは言えない。それでも古い3Dゲームは十分に行える、そんな時にちょっとした差がでるのだ。

CPU&GPU性能はMacBook Proが圧勝!

MacBook Airは、スペック表だけ見るとProと大差がなさそうだが、ベンチマークでは明らかな差がでる。
しかし残念ながらその差25%~50%程度と大きい、体感できる違いだ。
MacBook AirはMacBookを10%程度性能が上回るが、10%程度だとなかなか感じにくい性能差だろう。
Macでどのような作業をするかでこの影響は大きくなる。例えば写真編集や腰を落ち着けて動画編集などを行う際には、相当差が出てくる可能性がある。重たい処理を行う可能性があるならば、MacBook Proが有力な選択肢になるはずだ。

MacBook Air最新だけあって使い勝手はいいかも

MacBookAirは2018年モデルだけあって使い勝手は明らかに良い。
性能(スペック)以外の3機種の差はキーボードと、touchID、そして重さだ。
それぞれ順に比較しよう

キーボード

MacBookシリーズのキーボードは連続して打ちまくるには評判が今一つで、毎年進化を続けている。BookとProは2017年の第2世代モデル。Airは2018年の第3世代モデルだ。実際に打ってみると、従来までのキーボードよりも打鍵感が優れていてここちよい。
大量の文書を打つことが多いなら、Airのキーボードが一つ抜けてるだろう。

TouchIDはまぁ便利

3兄弟の中で唯一TouchIDに対応しているMacBook Air。使い勝手は良好だ。
ただ、私自身はAppleWatchでのスリープ解除を利用しているため、ほぼ利用する機会がない。しかも再起動時など案外TouchIDを利用できずパスワード入力を求められる機会も多い。そのため、あれば便利だが必須というわけではないと感じる。

やっぱる2つあると便利なUSB端子

MacBookの難点はUSB端子の数だ。MacBookのUSB端子はたったの一つ。今のMacはUSB-Cが充電端子も兼ねているので、MacBookは充電するともうUSB端子がなくなる。
AirとProは2つのUSB端子があるので、充電しながら外付けHDDを使ったり、iphoneやデジカメからデータを移したりすることが可能だ。

薄さや重さのモバイル性能はMacBookが圧勝!

Airと言えば薄さやモバイル性能だが、残念ながら可搬性はMacBookの圧勝だ。何しろ1kgを軽く切る920gだ。MacBookとAirでは330gの差がある。AirはMacBook+ipad mini(304g)よりも重いということだ。
毎日持ち運ぶのに重さは地味に影響する。感覚的に1kgを超えると持ち運びは必要な時だけだ。920g程度なら気軽に持ち運びができる。そんな感覚なので持ち運びをするならMacBookのほうが明らかに便利である。
なおAirとProではProが120g重い。iphoneSEくらいの重さの違いで、BookとAirの差よりはだいぶ小さい。もし、毎日カバンに入れて持ち運ぶのであればMacBookがベストだろう

結局はMacBookとAirとProはどれを選ぶべきか

価格に関しては、Airだけが13万円台で8000円ほど安い。しかしこの点は注意が必要だ。MacBookはスペックこそ劣るもののSSDの容量が256GBもある。AirとProは128GBだ。128GBはOSの領域も考えると、写真や音楽を入れるとあっという間に満杯になる量だ。
それに比べてMacBookの256GBは倍の容量ということで、安心感が桁違いだ。
Proも高価だが、こちらは前述のとおりスペックも高性能だ。
価格としてはAirが一番安いといっても、お買い得かというと何とも言えないところだ。

私は自宅ではMacBookPro15インチを利用する。パワフルなので動画編集や外付けSSDを常に使うハードな業務には最適だ。13インチの最廉価モデルは15インチに比べると「CPUコアがクアッドではなくデュアル」だったり、「GPUが内蔵」だったりするので、Proと言っても15インチには性能は及ばない。しかし自分も15インチの性能をフル活用するのは「最新のゲーム」や、「動画編集で複数のマルチ映像を同時編集する場合」など一部の状況に限られる。
自宅でメインPCとして利用するならばMacBookProが最適だろう。

一方でMacBookでは、外出先やシェアオフィスで画像をphotoshopで加工したり、空港や機内でブログを書いたりする場面で大活躍だ。なにより軽くて持ち運びにはストレスがない。この持ち運びには外出先への持ち運びはもちろん、室内でも片手で軽々と持ち運べることもメリットだ。充電もハードに使わなければ一日十分に持つため、まるでスマホのように扱えるのだ。意外なことにFinal CutやiMovieでの動画編集も、複数のエフェクトを利用するなどでなければ十分に可能だ。大きく非力感を感じる場面はほとんどない。
ただし大量の写真を扱ったり、長時間の動画編集をする場合にはProのほうが圧倒的に便利だ。

中途半端さが際立つMacBook Air
もともとのMacBook Airのコンセプトは出張などで海外に持ち運ぶ際にも邪魔にならない、まさに「空気のような存在」だったはずだ。
しかし、1kgを切る0.92kgのMacBookに対して、Airを名乗りながら1.25と缶ジュース一本分、35%以上も重い。厚さも決して薄いとは言えない。
モバイルではなく据え置き中心で考えると今度はMacBook Proがライバルになる。重さは100gほどしか変わらないにもかかわらず、CPU等はスペックの違いが明らかだ。
そう、MacBook Airの一番の問題は、据え置き型ならMacBook Proには叶わないし、モバイルPCというには12インチのMacBookに比べて重すぎる。そんな中途半端な位置づけになってしまっていることだ。

サブPCとして最適なのはMacBookだ。外出先でのブログ執筆やレポート作成、インターネット閲覧などを行うのであれば、全く問題がないスペックだ。バッテリーも十分に持つ。もちろんAirもサブPCとしていいのだが、重さを覆すほどのスペックではない。ただしMacBookはメインのパソコンとしては買うべきではない。電源と他のUSB機器が利用できないのはもちろんのこと、デジカメの写真を読み込んだりするときに外付けHDDとデジカメのメモリを同時に接続できない。メインで自宅で利用する場合はMacBook ProかAirにすべきだ。
この場合どちらにすべきか?
スペックでいえば圧倒的にProだ。Airが優れているのは120gの軽さと、8000円の価格差とキーボード、タッチIDだ。本筋の性能とはあまり関係がない。あえて活躍する場を上げるとすると、外出先での利用が多く、タッチIDが必要な場合で、特にブログ執筆やプログラミング作成などが多く優れたキータッチが必要な場合だ。しかし、これはややニッチな分野と言える。結局せっかく待望のAirが出たのに、残念ながら活躍の場は見えないのが残念なところだ。

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