国内線のANA運賃が、なんとなく値段が高い気がしませんか?
4月に入ったことが原因かと思いましたが、よくよく見てみると、プレミアムクラスの値段が高くなっています。
昨年12月に発表された「プレミアムクラスへのアップグレードが最大6000円の大幅値上げ」は、当日アップグレードにとどまらず、ANAプレミアムクラスの料金全般に影響していたのです。
これまで、31,050円だったプレミアム株主優待割引が、37,190円へと約6000円アップ。
PP単価にすると、10.8円から13円近くへと大改悪です(優待券代含まず)
プレミアム特割28も同様に値上げで、PP単価が軒並み悪化。
ANAの修行僧には大打撃になりそうなこの事象を詳しく解説していきます。
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プレミアムクラスの値上げの予感
ANAのプレミアムクラスは、昨年から食事がきちんとした食器で提供されるように変わりました。
また、機内Wifiが利用できるようになるなど、着実にサービスの向上が進んでいます。
しかし、それは、値上げの布石だったのか、12月に「プレミアムクラスが事前にアップグレードできるようになった」とアナウンスされました。しかし、それとともに「アップグレードの値段が、一律9000円から、路線やアップグレード時期によって運賃が変更される」という事も合わせて発表。
普通席からプレミアムクラスへのアップグレードがネットで可能になった一方、合わせて料金改定も実施され、小松などの近距離は値下げになる一方で、沖縄や札幌、伊丹などの人気路線を中心に、最大で5000円程度も大幅値上げされたのです。
これにショックを受けたのは修行僧たち。安いチケットを購入して、当日アップグレードする作戦だと、実質大幅な値上げです。
ところが、この値上げは、当日のアップグレード料金にとどまらず、プレミアムクラス全般の航空券が値上がりしていることが、ANAのプレスリリースからもわかります。
当日アップグレードだけじゃなく、実はプレミアムクラス全般の値上げ!
それでは、実際にどれくらい値上げされたのでしょうか?
修行僧によく使われる「プレミアム株主優待割引運賃」を例にピーク時で比較して見てみましょう。
値上げ前 | 値上げ後 | 差額 | |
羽田ー沖縄 | 31,050 | 38,050 | 7,000円 |
羽田ー石垣 | 40,450 | 48,450 | 8,000円 |
大阪ー沖縄 | 27,400 | 30,400 | 3,000円 |
札幌ー沖縄 | 40,400 | 50,600 | 10,200円 |
羽田-沖縄便は、当日アップグレード料金は6000円の値上げとなっていますが、プレミアム株主優待割引運賃では、4月1日以降の7000円の値上がりです。さらに、札幌-沖縄便などは、アップグレード料金の値上がり幅を上回る10,000円の上昇です。そのほか、大阪-沖縄便なども値上げ幅は大きくないといっても、結構な額を値上げしています。
詳細はこちらの運賃表をご覧ください。
「ピーク(3月31日まで)」がこれまでの料金、「ピーク」が新しい料金。
ご覧の通り軒並み大幅値上げになっています。
残念ながら、これまでの修行方針では、目安のPP単価10円を切ることが難しくなっています。
なお、9月以降はピーク過ぎとされ値段も下がりますが、それでも3月31日までに比べると高価です。
何気なく追加された株主優待割引の座席制限の導入
さて、今回いろいろ調査していると、気になる文面を発見。
<2018年10月27日ご搭乗分まで>
以下の期間は一部の便において販売座席数に制限を設定いたします。
<2018年10月28日ご搭乗分より>
年間を通じて、各便の混雑状況により販売座席数に制限を設定いたします。
これまでANAでは、プレミアム特割では、販売する座席に上限を設けていたものの、株主優待割引では座席上限がありませんでした。GW等、一部の期間を除けば、通常価格のプレミアム運賃での空席さえあれば、株主優待割引でも予約ができたのです。
それが10月28日以降は、座席に上限が設けられるとのこと。
JALのファーストクラスでは、座席に空席があっても、株主優待割引では搭乗できないことが多々あります。ANAの株主優待はとても使い勝手が良かったのですが、もし座席に制限がかけられるようだと、とても残念です。
改悪は続くよどこまでも、今後の修行僧は?
プレミアムクラスを利用して、羽田-沖縄間を往復すると、合計9往復で、プラチナステイタスに到達します。
これを株主優待割引を利用して行うと、31,050円×18搭乗=558,900円です。
さらに株主優待券の購入で50,000円ほど、合計600,000円ほどでプラチナステイタスに到達です。
PP単価は、12円とやや高めですが、直前の予約、キャンセル、予約変更ができるとあって比較的利便性の高い修行方法でした。
しかし、新しい料金設定では、チケット代だけでも684,900円、優待券の購入価格を入れると734,900円、PP単価が14.7円と大幅に悪化してしまいます。
そこで活用を検討したいのが、「プレミアム旅割28」です。
28日前の予約が必要、予約変更不可など、条件は厳しいもののその分お安いです。
https://www.ana.co.jp/ja/jp/book-plan/fare/domestic/applicablefare/
6月でいうと最安値で28200円です。ただし、東京を午前中に出発する便、那覇を午後に出発する便は、32,000円とややお高め。
もし、すべてをプレミアム旅割28で賄おうとすると、羽田-沖縄間が平均30,000円だとすると30000円×18搭乗=540,000円です。
PP単価は値上げ前のプレミアム株割と同程度でプラチナステイタスの達成が可能です。
しかし、昨年の同時期と比べると、これでも大幅な値上げがされているんですよね。
最安値 | 最高値 | 年 | |
東京-沖縄 | 28,200円 | 43,400円 | 2018年 |
東京-沖縄 | 24,700円 | 28,000円 | 2017年 |
PP単価的に東京-沖縄で、ぎりぎり10円を切るくらい。ただ、最安のチケットは、往路が午前に沖縄を出たり、午後に東京を出るチケットが多く、最高の価格帯のチケットは、沖縄を遅くに出る便。最安の組み合わせは実質できないtので、PP単価10円を超えてしまいそうです。
修行僧に冬の時代が到来か
ANAの改悪は、当日アップグレードだけでなく、プレミアム株主優待料金、そしてプレミアム旅割28にまで及んでいることがわかりました。
さらに、秋には、これまで100%加算されていた、「国際線区間の国内線利用」が、国際線区間の運賃に合わせて積算率へと変更される予定です。
このように上級ステイタスを得るためのオトクな修行ルートが徐々につぶされています。
しかし、これは今に始まった話ではありません。2016年から2018年のプレミアム旅割28の運賃を見てみましょう。
P旅割28 | 最安 | 最高 | |
東京-沖縄 | 28,200円 | 43,400円 | 2018年 |
東京-沖縄 | 24,700円 | 28,000円 | 2017年 |
東京-沖縄 | 21,200円 | 33,700円 | 2016年 |
P旅割28 | 最安 | 最高 | |
大阪-沖縄 | 27,400円 | 40,900円 | 2018年 |
大阪-沖縄 | 24,900円 | 26,300円 | 2017年 |
大阪-沖縄 | 17,700円 | 27,000円 | 2016年 |
P旅割28 | 最安 | 最高 | 年 |
中部-沖縄 | 26,300円 | 29,300円 | 2018年 |
中部-沖縄 | 25,800円 | 33,800円 | 2017年 |
中部-沖縄 | 26,600円 | 26,600円 | 2016年 |
P旅割28 | 最安 | 最高 | 年 |
札幌-沖縄 | 37,800円 | 47,500円 | 2018年 |
札幌-沖縄 | 35,600円 | 39,400円 | 2017年 |
札幌-沖縄 | 35,100円 | 39,300円 | 2016年 |
参考①2018年6月の運賃表
参考②2017年6月の運賃表
参考③①2016年6月の運賃表
修業に利用される沖縄線は、どの路線も最安・最高値ともに、右肩上がりに値段が上昇しています。
実際にプレミアムクラスはいつ乗ってもほぼ満席状態。需要と供給の関係からも当然かもしれません。
今回の値上げ4月以降、プレミアムクラスの搭乗率が落ちている様子もありません。
このままでは、来年・再来年とさらに値段が上昇する可能性も否定できません。
なお、普通席に関しては、燃油の上昇等の影響は多少あるものの、明確に値段が上昇しているという状況はあまり感じません、。
コストは高くなっても、プレミアムクラスを利用した快適な修行をするのか、コストを抑えて普通席中心で修業を行っていくのか、悩ましいところですよね。
(ピーク時の値段で比較しており、それ以外の時期の値段とは異なりますのでご注意ください。)