ホットクックや高機能コンロ、最新の電子レンジなど、最新の調理器具を活用すると、料理で「炒めたり煮たりする火を使う過程」が大幅に短縮できます。そうすると、料理でやることが、「野菜や肉を切る」「調理器具や食器を洗う」がメインとなります。
その時に絶対におすすめなのが、「良い包丁を使うこと」です。ところが包丁は「毎日のように、長く使っているのに全然注目されない調理器具」の代表格。今日は令和の時代に最適な包丁についてじっくり解説します。
結論から言うと「3,000円くらいの貝印の包丁を手抜きしながら研ぐ」という衝撃の結末。でもどれでもいいわけではありません。一般家庭で使い勝手と切れ味を両立させる包丁をじっくり解説します
あなたの包丁は?
さて、今ご自身が使っている包丁はいつ購入しましたか?どうしてその包丁にしましたか?定期的に研いでいますか?この質問に自身を持って応えられる方は、包丁のことをよく知っている方です。また、飾り包丁をやる!などのマニアックな人は私が愛してやまないこちらのページをじっくり読んで下さい。あ、「タコさんウインナーの飾り包丁」の方はこのページで大丈夫です。
多くの人は、「結婚するときにホームセンターで買ったかな?」「一人暮らしするときに親にもらった」「誰かの結婚式の引出物でもらったかな」程度でしょう。「スーパーの出張研ぎコーナーで研いだことあったような」「100均の研ぎ機でたまに研いでいるよ」などは上出来です。
それでいて多くの方が、「結婚してから10年以上は使っているな」とか「なんとなく手になじんで気に入っている」という人も多いと思います。
おそらく皆さんのうち、多くの人は、「なんとなく必要に迫られて、目に止まったのを入手したけど、その後メンテはほとんどしていないけど、結構長く使っている」というのがほとんどでしょう。
包丁は研げば新品の切れ味が戻ってきて、とても長く使えるものです。また、料理には必ずと行っていいほど使うもの。ただし、使い方を誤ると怪我の原因にもなってしまうもの。せっかくなので、これから10年20年と長く使える相棒を改めて選んでみませんか?
包丁の種類は?
さて、包丁の種類は様々です。包丁サイトを見ると「肉を切るなら牛刀」「野菜を切るなら菜切包丁」「果物を剥くならペティナイフ」など、いろいろなおすすめが記載されているます。また、「ステンレスがいい」とか「鋼は錆びる」、「和包丁だったら・・・・」などなど情報がもりだくさん。
一つずつ整理して考えましょう。
和包丁?洋包丁?
「出刃包丁」とか「菜切り包丁」とか、いわゆる魚屋さんとか八百屋さんなど本職が使っていて、持ち手が木でできているのが「和包丁」です。それに対して、「三徳包丁」とか「ペティナイフ」など一般家庭で使われているのが洋包丁です。基本的には洋包丁を選びましょう。
結論① 基本的には洋包丁一択です。
洋包丁の中では??
その洋包丁の中でおすすめなのは、「三徳包丁」と「小三徳」の2種類です。三徳包丁は、何にでも使いやすいということで「三徳包丁」という名前です。一般的な刃先の長さ(ブレードサイズ)は165mmサイズのものが使い勝手が良いです。包丁は2本あると便利です。野菜を切っただけだと、さっと水洗いすればいいのですが、肉や魚を切ったあとは、洗剤でしっかり洗う必要があります。そんなとき2本の包丁があれば、とても便利です。三徳包丁の次の二本目の包丁でおすすめなのが、「小三徳包丁」や「ペティナイフ」など、145mm~150mmサイズの少し小さめな包丁です。
小三徳は三徳包丁をそのまま小さくしたサイズですが、ペティナイフは先端が尖っていたり、果物剥きや細工に適した形状。「二本目は手が小さい妻に三徳では大きい」とか、「食洗機に入れてる間に二本めを使いたい」など、一般家庭では二本めにもオールマイティー性があると便利なので「小三徳」がおすすめです。ただ、料理好きで「肉と大きな野菜は三徳包丁で、果物やフルーツはペティナイフ」など、使い分けができそう場合には、二本目はペティナイフでもいいでしょう。一気に買い替える必要はありません。もし今持っているのが三徳だったら、小三徳を追加する形でいいでしょう。
ちなみに「肉を切るなら牛刀包丁」との言葉を信じ、180mmの牛刀を持っていますが、年に数回コストコで塊肉を買ったとき以外はほぼ登場の出番はありません。。。。
結論②包丁は二本が必要。一本目は165mmの三徳包丁、2本目は145mm~150mmの小三徳
材質は何が良いのか?
さて、次のポイントは材質です。「特殊炭素鋼使用」とか「ステンレス複合3層鋼」とか、「超合金」(これは嘘)ですが、なんだかアニメでしか聞かないような材質でどれが良いのだかわかりません。単純に言うと、「切れ味が良いけど錆びやすい」のは「鋼」です。「切れ味はそこまでではないが、錆びにくく使いやすい」のが「ステンレス」です。多くのご自宅で使われているのは「ステンレス」がほとんどだと思います。実はステンレスと鋼は見分け方がとても難しいです。ただ、「適当に買ったので、どっちだったかおぼえてないけど、あんまり手入れしないのに、ほとんど錆びたことないよ」という方が大半だと思いますが、そうした包丁はステンレスだと思って間違いありません。「実家から出るときに親にもらった」などは、やや高級な鋼の可能性はあります。
また、最近の選択肢としては、「セラミック包丁」があります。デザイン性がよく、切れ味も十分で錆びにくいいう売りですが、難点としては「欠けやすい」「研ぎ直しがメーカーでしかできない」ということ。メイン包丁としては、鋼かステンレスのどちらかにしましょう。
さて、「鋼」か「ステンレス」か、選択のポイントは包丁のメンテナンスにかける意気込みです。ステンレス包丁の多くは、食洗機にかけても問題ありませんし、サビも発生しにくいです。したがって研ぐ頻度も少なくてすみますですので、忙しいワーママや、ズボラなお父さんにおすすめ。一方で、鋼の包丁は、食洗機にはかけられませんし、サビも発生します、なので定期的に研いで上げる必要がありますが、その分切れ味はとても良いです。少し料理にこだわりたい方や、豆な方におすすめです。
結論③ 料理に手をかけられるなら鋼で!手間を省きたいならステンレス!
その他の構造も注意
最後にポイントになるのは持ち手の部分です。以前は持ちての部分は「握りやすさ・使い心地」大きな影響を与えていましたが、現状で最も大きなポイントは「オールステンレスだと食洗機の利用が可能」ということでしょう。
ですが、基本的に「包丁も食洗機にかけるよ」という場合には、オールステンレス一択です。ただ「包丁は手で洗うよ」という場合には、オールステンレス以外の方が握り心地も良いのでおすすめです。
なお、包丁については、できる限り手で洗ったほうが良いです。なぜなら、手で洗うことで選択肢が大きく広がるからです。オールステンレス包丁は、食洗機で洗えるというメリットはありますが、冷たい感じがするし、握りにくく滑りやすいなどの難点もあるからです。
ただ、料理が終わったあとに、放り込むだけできれいになる食洗機は大きなメリットがあります。ですので、私としては、肉や魚などを切るメインの三徳包丁はオールステンレス以外で、小三徳はオールステンレス、など2種類を使い分けるのがおすすめです。
おすすめのメーカーは貝印(KAI)
さて、そんな私のおすすめのメーカーは「貝印」です。貝印は岐阜県関市の刃物メーカー。
包丁はもちろん、カミソリや爪切りからハサミまで非常に多くの刃物製品を作っているメーカーです。他社と比べて優れているところとしては、「日本の自社工場で生産」しており、さらに「材料の材質までしっかりと表示」しており、非常に好感が持てるメーカーです。
例えば、こちらは、若い人に人気の無印良品が販売しているオールステンレスの三徳包丁
2890円ですが、中国産ですし、刃渡り表示も、約17cmと約表示、刃もステンレス刃物鋼との表示しかありません。
一方でこちらは貝印のオールステンレス包丁の匠創。amazonでは約3000円と、上記無印良品のオールステンレス包丁とほぼ同価格でありながら、安心の日本製です。サイズや刃渡りもmm単位の正確な表示。また、ステンレス鋼についても、「ハイカーボンステンレス鋼」と、詳細な表示があります。
万事の商品が、こうした表記で比較できますので、ニーズに合った商品が選びやすいメーカーと言えます。
さて、日本のものづくりの品質が低下しているとは言うものの、洋包丁とはいえ、やはり刃物の鍛造など昔ながらの日本の技術は信頼が置けます。刃物に関してはMade in Japanが一番安心です。
なお、他にも、新潟県三条などの下村工業やGLOBALなど、その中で、貝印をおすすめするのは、「質実剛健で壊れにくい」「サポートが優れている」「様々な種類があって自分に適したものを選べる」といった印象です。
私の愛用している包丁は、貝印の20年以上前の包丁で、関孫六の「宝屋」という商品。実はこれを知ったのはごく最近です。ホットクックをきっかけに包丁に興味を持った私は、20年以上使っている包丁の写真を貝印に送って「どの製品ですか?」と聞いたところ、とても丁寧な返事が。こうしたところも安心の日本メーカーのいいところです。
逆にカラフルなカラーリングやデザイン重視だったらもっと別のメーカーもあるかもしれません。貝印は、カミソリのイメージとか、オシャレ感からするといまいちかもしれませんが、実際使ってみると長く使えるとてもいい商品ですよ。
包丁のベストバイはこれだ!!
そんなわけで結論めいたものを。
まず、
メインの包丁は多少の手間をかけてあげることを前提にすると、「鋼の切れ味が良い三徳包丁」
2本目の包丁は、「手軽さと利便性が高いオールステンレスの小三徳包丁」です。
メインの三徳包丁のベストバイはこれ
まずメインの包丁は、「貝印 KAI 三徳包丁 関孫六 安土 165mm 日本製 AE5141」です。
こちらは、刃物で有名な貝印が製造する包丁です。刃先は鋼ですが、ステンレスでサンドイッチされた複合三層鋼なので、切れ味が良いのに、比較的錆びにくいというもの。ハンドル部分が樹脂製だったりやや廉価版なので、その分お値段はお手ごろな3,000円前後です。
もうちょっとお値段が高くていい場合には、同じ複合三層鋼だけど、ハンドル部分が積層木で高級な貝印 KAI 三徳包丁 関孫六 桃山 165mm 日本製 AE5146(約4500円)もおすすめです。
こちらは私が長年愛用している宝屋の後継モデルとなります。安い割には最高の切れ味と耐久性です。
さて、「食洗機は使わないけど、手入れにはそれほど自信がないな」とか「切れ味はそこそこでいいので錆びる鋼は避けたい」という方は、貝印 KAI 三徳包丁 関孫六 青藤 165mm 日本製 AE5151(約4500円)が使い勝手の良いステンレスで、切れ味もまあまあな、ベストバランスです。
さて、食洗機を利用する場合には、貝印 KAI 三徳包丁 関孫六 匠創 165mm 日本製 食洗機対応 AB5156(約3000円)の一択です。
食洗機は「熱いお湯で、濃い洗剤をかけ回して、最後に風で水を飛ばす」というまさにサビ製造機な構造です。包丁にとっては最も過酷な環境なので、切れ味が良い包丁でも切れ味の劣化は免れません。グローバル (GLOBAL)の高級包丁など、高価な包丁は多くありますが、オールステンレスで食洗機利用という使い方であれば、このモデルランクのほうが(いい意味で)雑に使えて便利だと思います。もう少しお金と手間が出せるなら、貝印 KAI 三徳包丁 関孫六 10000ST 165mm 日本製 食洗機対応 AB5290(7500円)がおすすめです。こちらなら、切れ味が上なので、定期的に研ぐことで、切れ味と使い勝手を両立させることが可能です。
サブ包丁(2本目)のベストバイはこれ
メインの包丁に鋼の「安土」や「桃山」を選んだのなら、二本目の包丁はステンレスがおすすめです。鋼の切れ味は毎回必要ありません。また、レモンやオレンジのような酸味があって錆びやすい物を切るときには、錆びにくいステンレスがおすすめです。
食洗機を使うなら、同じく、貝印 KAI 小三徳包丁 関孫六 匠創 145mm 日本製 食洗機対応 AB5162(約3,000円)もしくは、貝印 KAI 関孫六 小三徳 包丁 145mm 日本製 10000ST(約5,500円)のどちらかです。小三徳は少し値段がリーズナブルなので、10000STがおすすめです。
同じく少しお手入れの手間をいとわないのであれば、貝印 KAI 関孫六 小三徳 包丁 145mm 青藤日本製がベストバランスです。
さて、1本目がステンレスならば、ぜひ2本目は、鋼の切れ味を試してください。
鋼の小三徳のおすすめは、刃先は鋼ですが、ステンレスでサンドイッチされた複合三層鋼なので、切れ味が良いのに、錆びにくいモデル。ハンドル部分が樹脂製の「貝印 KAI 小三徳包丁 関孫六 安土 145mm 日本製」(約3000円)もしくは、ハンドル部分が積層木で高級な「貝印 KAI 小三徳 関孫六 桃山 145mm 日本製」(約4500円)をどうぞ。
最後に、複雑な包丁選びはシンプルに
今回、ご紹介したきっかけは、ホットクックの導入により、「包丁で切る」という作業がとても重要なことに改めて気づいたからです。その割にamazonの売上ランキングでも売上上位は廉価版ばかり。自分も実家でも包丁はとても長く使っていますので、ぜひ末永く使える包丁を紹介したいということで、今回紹介させていただきました。
包丁の選び方のおすすめは、必要なスペックの商品を選ぶということです。なぜなら、包丁は店頭に並んでいるものの中から良さそうなものを適当に選んだり、ブランドやイメージで選んだりしがちです。
しかし貝印の三徳包丁だけで17本のラインアップがあります。
上記を参考に、どうぞ満足の行く包丁を入手して使い続けていただければと思います。
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