ラウンジの利用や優先登場など、様々なメリットを受けられるANAの上級会員であるSFC(Super Flyers Card)。
出発までゆっくりとできるANAラウンジの利用や、優先登場など、特にお盆の時期など、混雑時には大活躍です。
しかしSFC会員として上級会員としての待遇を受けるには、たくさん飛行機に搭乗してANAに上級会員として認めてもらう必要があります。
しかしただ単純に飛行機に乗ったとしても、上級会員としての道のりは険しいです。というのも上級会員になるためには搭乗時に付与されるPP(プレミアムポイント)と呼ばれるポイントが一定以上に達する必要があります。このPPは、クレジットカードでためられるマイルなどと異なり、実際に飛行機に乗ってフライトで貯めるしか手段はありません。
このSFC会員資格を得るために飛行機に搭乗しまくることを「SFC修行」と言われています。
しかし、このPPは原則的にはマイルなどと同じように飛行距離が多いほどポイントも多く得られるのが原則です、実際には座席クラスや運賃種別によって異なります。
SFC修行にあたっては、最も効率よく、金銭的な負担を抑えながら行う必要があります。
今回は2019年のSFC修行を行うに当たって、最適な方法を検討したいと思います。
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ANA・SFC修行の王道とは
ANAのSFC修行には、王道があります。それは、1月から4月にかけて、遠距離路線である「羽田-沖縄」をプレミアムクラスで搭乗するというコースです。高いけど、ご飯も出るので、満足度がめちゃ高い。
沖縄路線がSFC修行で利用される理由ですが、遠距離というと、札幌や福岡も思い浮かびますが、実際の距離は沖縄が断トツで遠いです、
さらに距離だけなら「羽田-石垣島」や「沖縄-札幌」など、「羽田-那覇」よりもっと長い路線はあるものの、本数が少なく予約も困難です、さらに基幹路線ではないため運賃も割高です。
しかしプレミアムクラスは普通に購入するととても高価です。そこでプレミアム旅割28やプレミアム株主優待を利用します。
普通運賃に比べると、積算PPはやや劣りますが、値段もプレミアムクラスとしてはとても安いです。
そのため、2018年現在、SFC修行に置いては、プレミアムクラスの座席を、「プレミアム旅割28」か [プレミアム株主運賃]を利用して、「羽田-沖縄」路線を利用するというのが、SFC修行の王道になっているのです。
基本は羽田-沖縄便
SFC修行で利用されるのは羽田-沖縄便が主流。大阪在住なら「伊丹-沖縄」、福岡なら「福岡-沖縄」が利用されます。
その理由は「距離」と「便数」そして「閑散期の運賃」の3つの理由です。
まず、距離で言うと、沖縄は、圧倒的に遠い。羽田~鹿児島や、羽田~札幌と比べても圧倒的に距離が遠いです。羽田-沖縄だけでなく、伊丹-沖縄、福岡-沖縄もそれぞれの空港から最も距離がある路線です。
ステイタスの基準となるPPは、飛行距離(マイル)をベースに計算されるため、基本的には遠距離であれば、遠距離であるほどたまりやすい。
沖縄便は距離を稼ぐのには圧倒的に便利なんですよね。
便数が多いのも沖縄便の魅力。那覇空港の国内線便数は日本で羽田空港に次ぐ2番目です。日本各地から那覇空港行の便が出ていますし、東京だけでも10往復以上です。
当然SFC修行は便数が多いほど、やりやすいので、便数が多い沖縄路線は修行路線として最適です。
さらに、沖縄便は閑散期の運賃がとても安いです。沖縄のようなリゾート路線は、繁忙期にはものすごく高く値段設定されますが、閑散期にはものすごく安い運賃となります。これは、ビジネス客と違い、旅行客は閑散期には安くしないと乗ってくれないからです。
そのため、1月から3月までの閑散期では、沖縄路線は、距離が短い福岡や札幌と比べてもとても安い値段で乗ることができます。
以上のことからSFC修行の王道は、羽田-那覇路線になっているのです。
せっかくだからいろいろな路線に乗りたかったけど、結局沖縄中心になった僕
「せっかくSFC修行をするから、日本中の空港に旅したい!」と私は思ってSFC修行先を探し始めましたが、早々に断念し、ほぼ沖縄一本になりました。
その理由は、沖縄は距離が長い割に運賃が安いです。そのため、1PPを取得するために必要な費用、いわゆるPP単価が安いです。羽田-沖縄をPクラスで利用すると2860PPですが、必要な費用は約3万円。1PPあたり10円です。これが羽田-福岡の場合、1PPあたり15円と大幅に高額になってしまいます。
コストパフォーマンスを考えるとどうしても那覇便が中心になってしまいます。
また、もう1つは空港での交通機関です。那覇空港は利便性がとてもよく、空港からすぐにモノレールで中心市街地まで行くことができ、短い滞在時間でも現地を満喫できます。地方の空港は意外と市街地から距離があり、しかも交通網もバスくらいなので、日帰りの修行だと意外と現地を満喫できる時間はありません。そんなわけで私も結局、一部を除いてSFC修行は沖縄路線が中心になりました。
なお、羽田-石垣島や、羽田-宮古島など、那覇路線以外でも修行は可能です。ただ閑散期は便数も少なく往復で同じ機材を利用せざるを得ず、息も帰りも同じCAさんにあたるというちょっと恥ずかしいことが起きてしまうことには注意が必要です。
プレミアムクラスの運賃種別
プレミアムクラスを利用するには、プレミアムクラス用の運賃で予約する必要があります。プレミアム運賃は3種類あります。
運賃名 | 予約日 | 予約変更 | 座席制限 | 値段 |
プレミアム運賃 | 355日前から当日 | 可 | なし | 高い |
プレミアム株優 | 355日前から当日 | 可 | あり | 安い |
スーパーバリューP | 28日前まで | 不可 | あり | 最安 |
です。
プレミアム運賃はいわゆるプレミアムクラスの普通運賃。高額ですが、事前予約や予約変更もできます。
プレミアム株優は、プレミアムクラスの株主優待運賃。普通運賃のおよそ半額ですが、株主優待券を所有している必要があります。
「スーパーバリュー」は、「ANA SUPER VALUE PREMIUM 28」を代表とする事前割引運賃です。従来は「プレミアム旅割28」と呼ばれていたものです。スーパーバリュー運賃は安いのですが、28日前までの予約が必要で、予約変更ができません。
また、注意点は座席制限。プレミアムクラスが16席ある飛行機の場合、プレミアム運賃では、16席分が予約できますが、スーパーバリュー運賃では、16席中5席分がスーパーバリュー運賃などと、座席数が決まっています。
そのため、実際に空席があってもスーパーバリュー運賃では購入できないケースも発生するのです。
従来は株主優待運賃は、プレミアム運賃同様、16席分すべて購入できたのですが、近年繁忙期に限って座席制限をすることとなり、2018年8月販売分からはすべての時期で座席制限が導入されるようになってしまいました。
プレミアムクラスに空席があっても、株主優待運賃では購入できないケースが生じることに注意が必要です。
この3つの運賃のうち、修行に利用されるのが、「プレミアム株優」と「スーパーバリュー」運賃です。
2019年のSFC修行コストは大幅上昇
しかし残念ながら2019年のSFC修行のコストは大幅上昇です。最大の原因は今年4月からのプレミアムクラス全般の大幅値上げです。
8月21日にANAから年明けのプレミアムクラスを含む運賃がプレスリリースされました。そこで、今回発表された運賃と、ここ最近のプレミアム運賃の価格を比較してみましょう。
(1月7日〜31日までのプレミアム運賃、株優、特割28(スーパーバリュー)で比較)
年 | P運賃(最安) | P運賃(最高) | P株優(最安) | P株優(最高) | P特割28(最安) | P特割28(最高) |
---|---|---|---|---|---|---|
2019年 | 59,800円 | 62,100円 | 35,650円 | 36,700円 | 31,400円 | 36,700円 |
2018年 | 54,800円 | 57,100円 | 29,900円 | 31,050円 | 24,700円 | 29,000円 |
2017年 | 54,800円 | 57,100円 | 29,900円 | 31,050円 | 24,800円 | 29,000円 |
2016年 | 54,800円 | 57,100円 | 29,900円 | 31,050円 | 39,600円 | 44,900円 |
ご覧の通りSFC修行の修行は大幅に単価が悪化しています。
修行に必要なPPを得るために必要な費用はPP単価とも呼ばれますが、2017年〜2018年にかけてはプレミアム旅割28を利用すると8.7円ほどでした。
SFC資格を得られるプラチナステイタスに到達するには50,000PPが必要で、これは羽田ー沖縄のPクラスを18搭乗する必要があります。18搭乗するにあたってすべてプレミアム旅割28(スーパーバリュープレミアム運賃)を利用するとして、2018年ならば44万4600円で済んだものの、2019年は56万5200円と10万円以上の値上がりしてしまったのです。
これは、プレミアムクラスの普通運賃価格の値上がりによるものなので、株主優待運賃も同様に値上がりしているのです。正直、これは修行を考えている人にとってはダメージが大きいですよね。
それでも優れているANAのプラチナステイタス&SFC会員の魅力
それでもSFC修行の魅力は色あせません。それは、やっぱり日系エアラインであるANAのSFC会員のメリットが大きいから。上級会員になると、海外旅行などに行くにあたって、専用手続きレーンが利用できたり、専用窓口があったりと非常に大きなメリットがあります。特に国際線ラウンジは、飛行機の待ち時間が快適になるどころか、ラウンジを利用したいがばかりに空港にものすごく早く到着する人もたくさんいるくらいです。
このメリットは2019年になっても引き続き大きいです。興味があるならばぜひ、上級会員修行を考えることもおすすめです。
2019年のSFC修行の戦いは今すぐそこにある!
といって、悠長なことを言っている時間はありません。2019年のSFC修行の戦いは間もなくスタートです。
スーパーバリュープレミアム運賃は8月26日(日)から戦いがスタート
コスト重視派におすすめなのがスーパーバリュープレミアム28運賃です。以前のプレミアム旅割28です。この運賃は、半年ごとの期間ごとに一斉販売されます。そして、2018年10月から2019年3月までの期間の運賃が8月下旬。もう間もなく発売です。具体的なスケジュールはこちらです。
2018年8月26日(日) | 9:00 | ダイヤモンド会員 |
2018年8月26日(日) | 11:00 | その他プレミアム会員 |
2018年8月26日(日) | 14:00 | anaカード会員 |
2018年8月27日(月) | 11:00 | amc会員 |
2018年8月28日(火) | 9:30 | その他のお客さん |
このチケット争奪戦は熾烈です。というのもSFC修行の他に、ダイヤモンド修行というさらに上の10万PPを目指す人たちもいるからです。SFC修行はステイタスを持っていない人たちとの戦いですが、ダイヤモンド修行を行う人達は、すでに何らかのステイタスを持っている人が多いのです。そのため、新たにSFC修行を行うステータスがない人たちは、14:00からと、やや遅れてからのスタートになってしまいます。
そのため、残念ながら先行発売によって予約されてしまうケースも多々あるのです。
株主優待運賃の発売は9月3日0時から
一方で、プレミアム株主優待の発売は、搭乗日の355日前からスタートです。本当なら2019年1月の搭乗券はすでに販売されていてもおかしくないのですが、販売スケジュールの大きな変更が今年あったため、まだ発売されていません
プレミアム株主優待の販売は9月3日の0時から2019年8月23日までのチケットを一斉販売します。詳細はこちら
8月28日(火)0:00〜 | 10月28日〜11月2日搭乗分 |
9月3日(月)0:00〜 | 11月3日〜8月23日搭乗分まで |
9月3日(月)9:30〜 | 2019年8月24日分以降 |
こちらは、ダイヤモンド会員などの、ステイタスは不問。同時発売ですので、十分チャンスはあります。
なお、プレミアム株主優待の航空券を購入するにあたっては、優待券自体は必要ありません。
搭乗時までに入手しておけば良いので、購入後に入手しても問題ありません。
プレミアム株優は、当日購入もできますし、事前予約を手数料(420円)だけで変更できるため、忙しい修行僧に人気のチケットです。「急に明日スケジュールがあいたので修行しよう!」とか、「急遽仕事の予定が入ったので明日はキャンセルしよう!」という場合でも対応しやすいんですよね。
スーパーバリュー運賃の最安値よりは高いですが、ほぼすべての便で設定されており、便による値段差がありませんので、多少のコスト増を飲み込めるのならとても使い勝手がいい運賃でおすすめです。
難点は、株主優待券が必要なこと。
株主優待券は、株主に配布されるものの譲渡は可能なため、金券ショップやヤフオクでも販売されています。ただし金券扱いのため、メルカリでは金券類は販売できないため、現在は出品できない状況なのでご注意ください。
また、ANAの株主優待は、「〜5月31日まで」と「11月30日まで」の2種類があります。ヤフオク等で入手する際は気をつけましょう。一般的な相場は3000円〜5000円程度ですが、時期によってかなり変わります。なお、期限切れ直前の優待券はヤフオクでも1000円程度とかなり安く購入できることがあります。
1〜3月に人気が集中する理由
SFC修行が1月から3月に殺到する一番大きな理由は、コストです。SFC修行の王道である沖縄路線は、1月から3月は、閑散期ということで、空席も多く、そのため値段もかなり安いです。そのため1月から3月にかけて修行を行うと、最廉価料金での修行が可能となり、SFC修行コストを大幅に抑えることができるのです。4月~徐々に値段が上がり、6月からは値段も高いうえ、予約も困難になります。
また、PPは、毎年1月から12月の暦歴で積算され、翌1月になるとリセットされます。そのため、年の後半からSFC修行を行い、何らかの事情で目標の50,000PPに届かなければ、PPは失効してしまうので、修行の成果は無駄になってしまいます。また、プラチナステイタスは、達成した翌年度に付与されるのが原則ですが、事前サービス機関というものがあり、達成後すぐにプラチナステイタスの待遇を受けることができます。(ただし1~3月に達成した場合は、同年の4月から)。そのため、年のなるべく早い時期に達成すると、事前サービス機関も含めて最大2年近くプラチナステイタス待遇を受けることができるのです。
11月から12月前半も比較的安いのですが、11月から始めるにはよほど計画的に行わないと、プラチナステイタスに到達できないリスクがあります。
飛行機は自身の都合だけでなく、天候などで飛ばないことや機材変更でプレミアムクラスでなくなってしまうリスクなどもあります。
よほどのことがない限り1月から3月で集中して修行を行うのがおすすめなんです。閑散期のこの時期が羽田ー那覇の運賃が最安値だから。
今回プレスリリースされた運賃で見てみましょう。
SuperValueプレミアム | 最安値 | 最高値 |
1月 | 31,400円 | 36,700円 |
2月 | 34,800円 | 38,500円 |
3月 | 35,000円 | 43,200円 |
このように1月を底値に値段は上がり、4月を過ぎると大幅に上昇。できるなら春のうちに修行を行うのがやっぱりベストですね。
今回入手できなくても、悲観することはないけど。
スーパーバリュープレミアム運賃は、値上がりしたと入ってもコストパフォーマンスは上々です。一方でプレミアム株主優待は、値段も高い上、株主優待を購入必要もありますが、直前でも予定変更が可能です。
自営業やフリーランス、学生など予定が比較的立てやすい方は、スーパーバリュープレミアム運賃を今から購入しておくのがベストでしょう。一方で、サラリーマンや子育て中の方などは、当日まで予定がどうなるかわからないのなら、予約変更ができる株主優待が便利でしょう。
ただし、値上げ傾向もあり、以前ほどSFC修行の人気が高くないのも事実です。実際今でも、プレミアム28でプレミアムクラスを予約することも十分可能です。
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