国際線では、「ファースト」「ビジネス」「プレミアムエコノミー」「エコノミー」など、座席シートの広さやサービスなどにより、いくつかの価格設定で航空券を販売しています。
ファーストクラスやビジネスクラスは専用のラウンジが利用できたり、フルフラットに近い快適な座席が利用できます。また、プレミアムエコノミーでも、ビジネスクラスほどではありませんが、レッグレストがついた座席でビールやワインなどの通常の飲み物に加えてスパークリングワインが提供されたりと、普通席との差別化が図られています。
国際線でのイメージが強い座席クラスですが、実はJALでは、国内線でも3つの座席クラスがあります。
「ファースト」「クラスJ」「普通席」の3つです。
確かに国内線とは言え「羽田-沖縄」などは、3時間を超えるフライト。ソウルよりも遠く、台湾や香港とも遜色ない距離です。
そこで、値段は高くても、座席が広く、機内食やアルコールが提供されるプレミアムな座席に高いニーズがあるのです。
実際に空港でも、ファーストクラスやクラスJはほぼ満席状態でキャンセル待ち。
人気のJALファーストクラスの謎に迫ります。
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JALの国内線ファーストクラスとは?
国内線のJALのファーストクラスは、通常料金に8000円追加すると利用できる、特別な座席です。
ファーストクラス利用者は、搭乗時に専用のファーストクラスチェックインや、ダイヤモンドプレミアラウンジが利用できます。
さらに、搭乗後はソファのような座り心地抜群の革張りの座席シートが利用でき、機内食やアルコールの提供まであります。そして荷物には最優先のプライオリティタグが着けられ、まさに搭乗前から着陸後に至るまで、大変な優遇が受けられます。
搭乗前からいきなり最高級待遇のJALファーストクラス
国内線は比較的スムーズと言えど、出発間際の航空機が多いと、チェックイン手続きはとても混雑します。大型連休ならばなおさらです。JALファーストクラスでは、「ファーストクラスカウンター」の利用が可能です。
ファーストクラスカウンターは、ファーストクラス利用者やダイヤモンド会員のみが利用できる専用カウンター。待ち時間がほぼなしで利用できるのがメリットです。
ただし、カウンターの窓口が2つ程度ということもあり、待たされることも結構な確率であります。上級会員が利用できる「JGCカウンター」のほうが、窓口の人数も多く待ち時間がないというケースもあります。ただし、ファーストクラスカウンターは、Fクラス専用保安検査場と直結。Fクラス専用保安検査場は、ファーストクラス利用者やダイヤモンド会員専用のため、混雑はほぼなく快適そのもの。
リッチなところで手続ができるステイタス感が最高のメリットですね。(意味不明)
出発まではダイヤモンドプレミアラウンジで極上の時間
ファーストクラスチェックイン・保安検査を抜けると、すぐにダイヤモンドプレミアラウンジ(DPラウンジ)にたどり着きます。羽田空港の場合は、窓口は一緒で、左に行くとDPラウンジ、右に行くとサクララウンジです。搭乗券をかざすと、DPラウンジ、もしくはサクララウンジどちらの入室が許されるかが判別され、表示で知らせるととともに、カウンターの方は音で判別し、左右どちらに行くか誘導します。
ダイヤモンドプレミアラウンジは、ファーストクラス利用者と、ダイヤモンド会員かJGCプレミア会員専用ですので、利用者も少ないです。さらに無駄にリッチ感を出そうとしていますが快適そのものです。ただし、お握りをカバンいっぱいに詰め込む輩など、客層は必ずしも・・・・
DPラウンジは、アルコールとスナックしかないサクララウンジと異なり、メゾンカイザーのパンやカレーパン、スープなど軽食の提供があること、そして、やや空いているのが特徴です。国際線のラウンジのように、サラダバーやカレーライスまでとは行きませんが、そもそも国内線なので、軽食があるだけで充分ありがたいです。なお、ビールは、アサヒの「熟撰」「ヱビス」「プレミアムモルツ」の3種類。こんなところにも無駄に差別化を図っていて、アルコール度数が高めでプリン体多めなプレミアムビールしかないのが残念なところ。すいません、黒ラベルかスーパードライください。。。。
ファーストクラスでは機内でなかなか美味しい機内食が出ます。ラウンジでの食べすぎは禁物です。なお、ファーストクラスの食事は、洋食と和食のどちらかが出ます。私の場合は、事前に機内食の種類を確認して、和食の場合はカレーパンを、洋食の場合は「お握りとみそ汁」を選んでいます。
搭乗後はシャンパン・プレミアム焼酎が飲み放題
さて、いよいよ搭乗です。優先搭乗の案内がありますが、ファーストクラスシートは着席している人の前を通っても全く問題がない広さです。頭上のコンパートメントも十分な収容力があり、ひじ掛けの取り合いにもならないので、急ぐ必要は全くありません。
しかし、ラウンジの椅子よりもファーストクラスの座席は快適で、着席後に、すぐに新聞を用意してくれますので、私自身は早めに搭乗しています。
離着陸時のシートベルト着用時でも、リクライニングをしなくても、体が沈み込む感覚で、ゆったりとできるのが大きなメリット。もちろん、リクライニング時はもっと快適。 ファーストクラス座席は、後席に遠慮せずにリクライニングができますし、フットレストも利用すると、さらに快適です。
さて、搭乗後20分ほどすると、食事とともにアルコール類の提供が始まります。当然前方座席からの提供なので、少しでも早く食べたい場合は、前方座席がおすすめです。機内食はきちんとお皿で提供されます。味もなかなかのもの。出発時間によって、朝食・昼食・夕食のいずれかが提供されます。
アルコールは、ビール、ワインはもちろん、焼酎は「森伊蔵」が、そして「シャンパン」が提供されます。
森伊蔵はプレミアム焼酎の3M(村尾、森伊蔵、魔王)の中でも人気の1つで15,000円ほどの高値がついており、入手が困難です。そんな森伊蔵が、グラスで提供され、CAさんが水割りやお湯割りなど好みに応じて提供されることがアルコール好きにとってはたまらないメリットです。 また、機内ではシャンパン(もしくはスパークリングワイン)が提供されます。もちろん国際線のファーストクラスで提供されるシャンパンとは異なり、1瓶3,000円くらいと、お手頃価格ですが、機内では格別な味わいです。
なお、JALはシャンパンを注文すると、ボトルを開栓して提供してくれます。残しても捨ててしまうだけからか、やたら頻繁に注いでもらうことができます。ちょっとでもなくなるとすぐに注ぎに来ます。遠慮せずにたくさん飲むことができます。ビジネス客が多くて、シャンパンを飲むのが自分だけのときなどは、プレッシャがかかるほど(そんなことはない)
なお、おつまみとして提供される「ドライ納豆」は最高に美味しい。また、「あられミックス」も用意され、窓からの素晴らしい眺めでアルコールを楽しめます。
人数が少ないため最高級の気配りが受けられます。
ファーストクラスは便によってですが、ボーイング777では18席、767では5席しか用意されていません。しかしCAさんは十分な人数が配置されています。そのため、何か注文をするときでも、CAさんが先に声をかけてくることがほとんどです。
さらに、こちらの負担にならない程度に「今日は気持ちが良いお天気で、とてもお出かけ日和ですね」などと声をかけてくれます。
また、最近行っている都道府県シールなども話のきっかけで盛り上がることもできます。
この日は、ドライ納豆の話題で盛り上がり、「妻も大好きなんですよ」なんて話をしたら、あとから「奥様とどうぞお楽しみ下さい」なんて言ってお土産までくれました。
こういう気遣いは最高にうれしいですよね。
最前列なので降機も早くて、荷物もすぐ出る。
無事着陸した後の降機の場面でも、ファーストクラスは活躍。そう、最前列なので、自然と最初に降機できるのです。そして荷物が出てくるのもプライオリティタグのおかげでとっても早い。
到着すぐ後に、予定がある場合や、遅延した場合等でタクシーの争奪戦になるようなときにはありがたいですよね。
FOPやマイルが貯まりやすい
ファーストクラスを利用するメリットの一つに「FOPやマイルが貯まりやすい」ことです。特にFOP(Fly On Point)は飛行機に乗るしか貯める術がありません。
FOPは、ダイヤモンドステイタスや、サファイヤステイタスなど、航空会社の上級会員(エリートステイタス)の付与条件として利用されています。
付与FOPの違い@特便21運賃
発着空港 | Fクラス | 普通席 |
羽田ー沖縄 | 2,860 | 1,876 |
羽田ー福岡 | 1,818 | 1,250 |
羽田ー伊丹 | 1,100 | 820 |
羽田ー札幌 | 1,676 | 1,160 |
特に距離が長い羽田-沖縄便では、獲得できるFOPが大きく変わります。
JGC(JAL Global Club)に入会するための上級会員「サファイヤステイタス」を獲得するにはJALの場合、45000FOPをフライトで得る必要があります。(5000FOPはJALカードボーナスで得られる。)
これを普通席だけの登場で獲得しようとすると、羽田-沖縄を13往復が必要です。
これをすべてファーストクラスで往復すると、8往復で獲得できます。
このようにFOPが同じ距離の普通席より50%ほど多く獲得できるとあって、FOPが貯まりやすいファーストクラスは、上級会員になるために飛行機に乗る「修行僧」が数多く利用しています。
JALのファーストクラスの難点は設定便数が少なく予約が困難
そんなJALのファーストクラスの唯一の難点が、予約が取りずらいこと。
まず設定路線が、羽田-那覇、羽田-福岡、羽田-札幌、羽田-伊丹の4路線のみです。
さらに設定路線でも、羽田-伊丹などは、ほぼ全便でファースト機材が運行されているのですが、羽田-那覇は、13便のうち、たったの2便だけ。
座席数も5席~18席しかありません。
さらに、料金体系が、1時間強で到着する羽田-伊丹も、3時間ほど所要時間がかかる羽田-那覇便も同じ+8,000円。そんなこともあり、羽田-那覇便は人気がとても高く予約が極めて困難です。
また、値段設定自体は、+8,000円とお安いのですが、これは普通運賃などに限った話です。実際にはファーストクラスを事前予約できる運賃種別が限られています。
沖縄までの片道10,000円ほどの運賃で販売されることもある「先得運賃」などは+8,000円してもファーストクラスの予約はできません。
ファーストクラスが予約できるのは「特便21」「株主優待運賃」「普通運賃」など、やや高めの料金設定の運賃です。したがって、実際にファーストクラスに搭乗するには割引運賃の中でもやや高めの「特便21」などの料金で予約・購入する必要が出てきます。
しかしさらに厳しい条件があります。それは搭乗便にファーストクラスの座席が18席ある場合でも、特便割引や株主優待などの運賃に割り当てられている座席18席中5席とか10席とか便によって決まっています。特便割引での座席が満席になると、あとは空席だとしても普通運賃でしか予約ができません。そして特便割引では、予約開始直後でも人気が殺到してなかなか予約できません。なにしろ767便の場合などは、5席中1席しか割引運賃に割り当てられていないこともあるからです。
また、当日も、空席のキャンセル待ちは可能ですが、キャンセル待ちにも優先順位があり、ステイタスが高い人が優遇されます。そのため、まだステイタスを持っていない人は優先順位が低く、利用することが難しいです。確実に予約が必要であれば、正規料金に近い値段で、予約する必要があります。
ファーストクラスをお得に利用する方法は
そんな国内線ファーストクラスをお得に利用する方法はあるのでしょうか?
割引料金では、ファーストクラスを予約できない便が多いのですが、その中で最も安価にファーストクラスを予約できる運賃は「特便21」です。
事前予約では、特便21でファーストクラスを予約するのが最もお得な方法となります。
ただし、特便21は、羽田-那覇は設定されているのですが、羽田-伊丹など設定されないことも。
ただし福岡・伊丹・札幌便については、当日のキャンセル待ちで結構な確率で利用できます。というのも、ファーストクラスの利用者の傾向として、沖縄便は、修行僧のほかには、スポーツ関係者や芸能関係の人、やんちゃ系な方々が利用するようで、あまりキャンセルは発生しない印象があります。
しかし、伊丹、福岡、札幌便はビジネス用途がメインのようで、ビジネスの都合による便変更や直前のキャンセルが多いようで、空港に行ったら案外空席が残っていて搭乗できたというケースがあります。
ファーストクラスをお得に利用するためには、羽田-那覇は特便21で予約。伊丹・札幌、福岡便は、安いチケットを購入して、当日空港での空席やキャンセル待ちにかけるのもよいでしょう。
なお、ダイヤモンドプレミアラウンジの利用条件は、「国内線ファーストクラスにて当日当該空港より出発または同クラスに当日お乗り継ぎのお客さま」とあります。
ファーストクラスに乗る前に利用できるのは当然ですが、当日の復路でファーストクラスを利用する場合も、乗り継ぎに該当し、往路は普通席でもDPラウンジを利用できます。
極端な話、羽田-大阪-福岡-那覇-羽田とフライトを乗り継ぐ場合、最後の「那覇-羽田」でファーストクラスを利用するのであれば、Fクラスの出発地である那覇はもちろん、羽田でも大阪でも福岡でもDPラウンジを利用できるのです。
往路か復路かどちらかしかFクラスを利用できない場合は、復路に利用するというのもアリですね。(往路のほうが時間が長いのが悩みどころ)