ホットクックを購入するときに必ず悩むのが、「長期保証に加入する必要があるか」ということです。「故障が怖いので入ったほうが良い」と言った意見から、「壊れないっしょ」という意見まで様々。
今日は実際の故障頻度や修理費用からホットクックの長期保証の必要性を真剣に考えてみたいと思います。
家電の保険や長期保証は必要性は?
長期保証はいわゆる保険の一種です。保険とはギャンブルだと言われています。
例えば生命保険は、契約者が期間内に死亡すれば、契約者が保険金をもらえる、保険会社は敗者です。
逆に契約者が期間内に死亡しなければ、契約者は保険金を払い損となり、保険会社が勝者です。
家電の長期保証も同じです。5年間の保証期間中に故障すれば、購入者が得をして、販売店が損をする。保証期間内に故障しなければ、販売店が保険料の分は得をします。
長期保証が必要なもの
さて、一般的に保険が必要とされているのは、生命保険、火災保険、自動車保険の3つです。これらは共通しているのは、「予見せずに起こる事故」に対して、数千万円規模の多額な費用が必要なものに対する備えです。交通事故で人を死亡させて数千万円の賠償金や、自宅が火災となって1000万円単位の再建費用が必要というもの。
さて、共通しているのは「めったに発生しない事象に対する念のための備え」です。
しかし、ホットクックが故障しても、生活が破綻することはありません。必ず入らなくてはならないものといった類であることは間違い無いでしょう。
「保険は損得で言えば、入らないほうが得だよ!」は誤りの時も
さて、保険の加入について、損得で言えば入らないほうが得と言われています。これはビジネスモデルからしても明らかです。一般的には保険は、商品価格や故障率から、適正な利益が出る保険金額を設定するからです。なので、保険会社は集めた保険金から、宣伝費用などの事務費を除いて、保障していくのです。なので、保険商品が成り立っていること=保険にかけないほうが得するということが成り立ちます。
ただし例外がいくつか。
まず1つは、国が補填する保険です。例えば、地震保険や国民健康保険。これは何かあったときに、国もお金をだすことで、掛け金以上の保障がされます。なので、これには入らないと損です。
もう一つの例外は、販売促進策として、安価な保証制度を設けるお店があること。街の家電量販店などは、独自に保証制度を設けています。これは量販店独自でセールししたりするので、販売促進費用等が不要となり、採算度外視で導入していたりします。
ホットクックの長期保証は、単なる保険商品ではありませんので、加入したら損得で言えば損する商品ではありません。なので、更にじっくり考えていきましょう。
故障する確率はどのくらいなのか?
さて、家電の平均的な故障ペースはどれくらいでしょう?流石にメーカーはそういったデータは発表していません。
そこは想定するしかありません。
ここでは毎年の故障する確率3%、5%、10%として、故障する期待値を確認しましょう。
故障率\経過年数 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | 5年目 |
---|---|---|---|---|
3%の場合 | 97% | 94% | 91% | 88% |
5%の場合 | 95% | 90% | 85% | 81% |
10%の場合 | 90% | 81% | 73% | 66% |
まず、こちらの表は1年間に発生する故障率と、壊れない確率の表です。
毎年100台中3台の3%が故障すると想定すると、1年目は保証期間なので対象外として、2年目に故障しないで使えてる確率は97%です。そして最終的に5年間故障せずに使える確率は88%です。なんらか故障する確率は14%ですね。
同じく5%の場合は5年後も問題ないのが81%、19%が故障します。
10%だと、5年間無事なのは66%で、故障する率は34%です。10%だと3台に1台が故障するのは高い想定かなと思いますね。
修理費用はどれくらい?
さて、修理費用については、シャープがきちんと公表しています。
症状 | 付記 | 持込み修理料金の目安 |
---|---|---|
エラー表示/表示、動作不良・各種エラー(「U2」「C*」「E*」)・表示不良・ボタン操作が効かない | 電気部品、基板、機構部品などの交換 | 18,000円~10,000円(税込) |
電源が入らない | サーモ、電源基板などの交換 | 16,000円~9,000円 (税込) |
上蓋開閉不良 | カバー、アングルなどの交換 | 14,000円~5,000円(税込) |
まぜ技ユニット不良・まぜ技ユニットの異音・「U01」エラー | まぜ技ユニットの交換 | 10,000円~8,000円(税込) |
無線が繋がらない、不安定 | 無線基板交換 | 12,000円~7,000円(税込)※動作確認の結果、本体に問題がなかった場合の点検費用は、保証期間にかかわらず3,000円~(税込) |
破損/汚れ・パッキン破損・吹きこぼれなどによる汚れ | 清掃、部品交換 | 13,000円~3,000円(税込) |
3000円~18,000円とのことです。
これは一般的に見ると非常に安い部類です。また、冷蔵庫や洗濯機など出張修理が必要なものについては、出張費と技術費を合わせると、最低でも3万円~4万円はかかります。こうした高額な修理費の商品については、保険が有効ですが、ホットクックの修理代金を見る限りは保険の有効性は若干落ちると言ってよいでしょう。
ただ送料も必要です。故障箇所にもよりますが、平均としては12,000円程度を見込んでおきましょう。
平均して、修理代金はどれくらいかかるのか?
さて、ここで5年間の修理代金の期待値です。
故障率/年の想定 | 5年間の間の故障率 | 修理代金の期待値 |
3% | 12% | 1,800円 |
5% | 19% | 2,850円 |
10% | 34% | 5,100円 |
となります。故障率が3%程度だと、統計的に必要となる修理代金は1,800円相当です。
5%だと、2,850円相当、そして10%だと、5,100円相当です。保険金がこれよりも低いならば保険に加入したほうがお得ということですね。
実際の故障率はどれくらいなのか
さて、3%~10%とかなり幅ととっていますが、実際のホットクックの故障率はいかほどでしょうか?これはおそらくシャープ以外にはわからない数値だと思います。一般的な産業機器では3%~5%程度が多いようです。また10%というと、毎年10人に一人のヘルシオが壊れるということ。そしたら、「壊れやすい」と評判が立ちそうですが、特段それがありません。
またメカの機構を見ても、ヒーターで温度管理をする構造は炊飯器などで熟成された技術です。かき混ぜユニットは、そもそもそれほど大きな力がかからない上に、新モデルでは強化されるなど、比較的余裕があると考えられます。
そうやって考えると、実はホットクックって故障率は低そうなんですよね。ただ水回り部分で、WEB上でも「壊れてしまった」という報告は複数上がっているので、壊れないわけではないということで、やはり5%程度を見込んでおくのが良いと思います。
ホットクックの長期保証の価格は適正なのか?
さて、5%だとすると、2,850円。およそ3000円程度の保険であれば、ちょうど期待値と一致します。また、ちょっと慎重に10%の故障率を見込むと5,100円程度の保険金額が目安です。そこで長期保証の価格を見てみました。
するとほとんどのケースで商品価格の5%前後ということで、3,000円~4,000円程度で販売されているようです。こうして、適切な保険料となっているのがほとんどのケースなんです。。。。
ただ、これでは保険会社はほぼ儲けはありません。その理由ですが、先程申し上げたように、量販店は保険商品だけで儲けようとはしていません。むしろ、多少リスクを取ってでも自社で買ってもらえるような販売促進策として長期保証を用意しているのです。
結局長期保証に入るの?入らなくていいの?
さて、故障率を5%と見込んだときには、3,000円~4000円程度の保険であれば、経済的な対価が取れているので入るべきでしょう。また、商品価格が多少高くても、長期保証がある地元の小売店などで買うのも良いでしょう。
なにしろ、たった数千円で、5年間得られるのは、経済的な対価だけではありません。「万一故障したときでも、負担無しで修理が受けられるというのは何者にも代えがたい安心感」です。
実は液晶テレビは平均6年程度で破棄されてしまうとのこと。これは6年間の間に大きな性能向上や機能アップがされるので、「修理に出すより新しいのを買っちゃえ」となるようです。
ホットクックはすでに、ある程度成熟された商品で、初期モデルが現在もバリバリ現役で使われています。製品寿命が非常に長い製品です
ですので、結論として、経済的に対価が得られる商品価格の5%程度であれば、絶対に入ったほうがおすすめです!
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